活躍する中途人材を採用する方法は? 募集と教育のコツ
2024年01月12日 06:00
この記事に書いてあること
一定の教育が必要な新卒採用とは異なり、即戦力を確保できるため、人材不足に早い段階で対処ができる中途社員採用。しかし、中途採用の応募者が集まらない、また、採用ができてもすぐに辞めてしまうといった課題を抱えている会社も多いのではないでしょうか。そこで今回は、中途採用で自社に合った人材を獲得するためのポイントや、中途社員を定着させる教育のコツを解説します。
人材不足に悩む会社が知りたい中途採用のメリット
人材不足に悩む会社にとって、中途入社社員を採用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
即戦力やマネージャー層を採用できる
中途採用の最大のメリットは、早期に活躍が期待できる社員を迎えられることです。他の企業で経験を積み、一定のスキルを持った人材を採用できます。新入社員のように、活躍するまでに長期間の研修やOJTが必要ありません。
一般社員だけでなくマネージャー層を採用できるのも、中途採用のメリットです。社内でマネージャーを育成しなくても、チームやプロジェクトを率いる人材を確保できます。
自社に合ったタイミングで人材を確保できる
一括入社の新卒採用とは異なり、中途採用では、欠員が生じた際や、特定の部署やプロジェクトの人員を増やしたいタイミングで人材を強化できます。職種や役職を絞って募集ができるという利点もあります。
また、中途採用は、採用活動が長期に及ぶ新卒募集に比べて、短い時間で採用ができます。人材を補強したい時、スピーディーに人材を集められるのも中途採用のメリットです。
中途採用を成功させるポイント
では、主に中小企業が中途採用を成功させるには、何が必要なのでしょうか。自社に合った人材に入社してもらうために大切なポイントを解説します。
採用したい人材像を明確にする
中途採用を成功させるために大切なのは、求める人材の姿を明確に設定することです。中途採用市場には、年齢や経歴が異なるさまざまな求職者がいるため、採用基準が曖昧だと、自社に必要なスキルや能力を持つ応募者が集まりません。また、応募条件を広く設定しすぎると、応募者が多く集まったとしても 、自社が求める人材に出会うのが難しくなります。
経験の年数や保有 する資格、また、入社後に取り組んでほしいことなどを詳しく設定し、ターゲットを絞ることが重要です。
自社の強みを整理して発信する
求職者に会社の魅力を伝えるため、自社の強みを整理し、情報発信しましょう。仕事の内容や業務を通して得られるスキル、待遇や福利厚生など、働きがいや働きやすさを伝えることで、応募者が集まります。
ワークライフバランスの実現や、ユニークな福利厚生など、独自の制度や注力する取り組みを発信することも大切です。応募者が入社後の活躍をイメージできるため、社風と親和性のある人材が集まりやすくなります。
応募者の能力と人物像を掘り下げる
中途採用の面接では、期待する職務を行う能力があるかどうかを確認しましょう。過去の職務内容や経験年数に加えて、具体的な業務やプロジェクトのエピソードを聞くことで、課題解決の考え方やプロジェクトマネジメントの力を見ることができます。
面接では人物像を掘り下げることも大切です。社風や部署の空気に合った人材を採用するため、コミュニケーション能力や性格の特性をチェックしましょう。一方的に質問するだけではなく、求職者から不明点を挙げてもらうなどの双方コミュニケーションを行うこともポイントです。また、多角的な視点から人材を評価するため、面接は2名以上で行いましょう。
目的に応じて募集方法を使い分ける
採用の目的や求める人材像に応じて、募集方法を使い分けるのもポイントです。たとえば、登録者が多い大型転職サイトは、多くの応募を集めたい時に役立ちます。ターゲットを絞って採用したい場合は、地域や業種に特化した転職サイトを選ぶのも有効です。自社の採用サイトによる採用は、自社の強みや社員インタビューなどの情報を自由に掲載できるというメリットがあります。
業界や人事の専門家である採用エージェントを通じて応募者を紹介してもらうエージェントサービスは、大規模な募集活動をしなくても、求める人材にアプローチできます。また、自社の社員に人材を紹介してもらうリファラル採用も、ミスマッチが少ない採用方法として注目されています。
クロージング面談で内定辞退を防ぐ
採用が成功して内定を出しても、入社を辞退されてしまうケースもあります。採用した良い人材に活躍してもらうため、クロージング面談を実施しましょう。
クロージング面談とは、採用面接後に内定者と担当者が会い、条件の確認や不安の解消を行うことで内定辞退を防ぐ面談のことです。採用面接では聞けなかったことや不明点の確認 、雇用契約書を交付するなどのコミュニケーションを通じて、確実な入社につなげましょう。
キャリア人材の教育を成功させる方法
優秀な人材を採用できても、ミスマッチが起き中途社員が離職してしまっては意味がありません。中途社員に長く活躍してもらうために、下記のような教育を行うことも重要です。
キャリアプランの設計を含めた研修
中途社員の定着には、会社での将来的なキャリアプランに対する意識が欠かせません。そのため、中途社員の教育では、キャリアプランの設計を含む研修を行いましょう。
キャリアプラン実現のために必要なスキルの獲得や、段階別の目標を設定することも大切です。上司からのフィードバックを含めた定期的な振り返りを行うことで、会社で長く活躍するというビジョンを持ち、仕事に取り組めるようになります。
メンター制度で定期的なフォローを行う
中途社員は即戦力として活躍できたとしても、仕事上の不安や課題は生じます。経験があるからといってフォローをせずに仕事を任せたままにしてしまうと、中途社員の不満や早期の離職につながります。
中途社員が周りのサポートを受けながら活躍の場を広げていくために、メンターによる支援や定期的な面談を行いましょう。先輩社員が、中途社員の仕事の理解度や業務の状況を確認し、フォローできる体制を整えることが大切です。
入社前からのオンボーディング
中途社員を定着させるための取り組みのひとつが、オンボーディングです。オンボーディングとは、中途入社を含む新入社員が、早く会社やチームに馴染み、活躍するためにサポートすること。研修や同期の交流会、1対1での面談などが、これに含まれます。
オンボーディングは、入社後だけでなく、入社前から進めることでより効果を発揮します。内定段階から、職場見学や入社前研修、社員との交流会などを行うことで、早く会社に馴染むことができます。
同期入社のコミュニケーションで孤立を防ぐ
中途社員は、一括採用の新卒とは異なり同期入社の社員がいません。そのため、会社や社員とのつながりを感じにくいという点に注意しましょう。年代や経歴が近い仲間が少ないことから、社内で孤独感を抱いてしまうリスクもあります。
会社や周囲への愛着を持ってもらうため、中途社員にも、近い時期に入社した社員との合同研修を行うなどコミュニケーションの機会を提供しましょう。社内の横のつながりが、中途社員を定着させます。
人材の定着と成果につながる中途採用を!
中途採用は、ただ応募者を集めるだけではなく、入社後の適切なフォローや教育によって社員を定着させることで、初めて成功します。中途社員は、即戦力となるだけでなく、それまでの経験を生かして、会社を成長させる新しい風を吹き込んでくれる重要な存在です。採用と教育のポイントをおさえて、未来につながる中途採用を実現しましょう。
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